EXHIBITION

没後25年 鴨居玲 終わらない旅

2010 4/10(土)-6/13(日)
火曜日 5/4,6/1,6/8は開館します。

もしかしたら不確かなままでしかないのかもしれない、わたしたち人間のそれぞれの生。あるとき我執を離れて省みれば、はて、生きる意味とは何なのか、そも自分は何者なのか
こうした問いはおそらく昔も今も、誰しもが心に秘めている普遍的な疑問なのではないでしょうか。それを絵筆で問い続けたひとりの画家がいました。その名は鴨居玲。没してはや25年、いまなおその作品は人の心を惹きつけてやまないのです。
新聞記者の父のもとに生まれた鴨居玲は、金沢で幼年期を、のちに父の転勤にともなってソウル、大阪で少年期を過ごしました。戦後まもない時期に新設された金沢美術工芸専門学校(現在の金沢美術工芸大学)で画家宮本三郎(1905-1974)の教えを受け、大阪、神戸、ヨーロッパ、南米、と各地を遍歴しながら活動。41歳の時、当時画壇の登竜門だった安井賞を受賞して一躍脚光を浴びます。その後スペイン中部の小村、またその後に神戸、と居を移しながら人気作家としての道を歩みますが、高い評価と賛辞をうけるいっぽうで、生きるがゆえの懊悩にさいなまれてでしょうか、晩年には周囲に自死を予告して未遂するなどの奇行を繰り返すようになり、57歳の時、ついに自らの意思によってその人生を終えます。
疲れ果てた廃兵、夢とうつつの境を失った酔っぱらい、虚空にたたずむ建造物、皺にまみれた醜い老人....、暗く重い画面に照らし出されるように劇的に描かれた人物たちの、眼窩の影に隠れた視線の向かう先を読むことはできない。この画家が描く人物は実はほかでもない、モデルに仮託した自画像。そして、人が彼の品に共感をおぼえるのは、それがわたしたち自身の姿と重なるからなのです。

展覧会基本情報

Exihibition Information

会期
2010 4/10(土)-6/13(日)
火曜日 5/4,6/1,6/8は開館します。
会場
河口湖美術館
開館時間
9:30-17:00(入館は16:30まで)
入館料
一般・大学生800(720) 高校生・中学生500(450) カッコ内は8名以上の団体料金
主催
河口湖美術館
協力
財団法人日動美術財団

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SINCE1991.04.14