2011年6月18日(土)-9月4日(日)
会期中無休
ひとくちに「現代美術」といいますけれど、20世紀の100年間、とくに後半の「戦後」というくくりであらわされる時代の数十年間には、過去には無かったさまざまな美術表現が出現し、その急激で多様な展開は、短い言葉では説明することが困難なほどです。1960年代にアメリカとイギリスで興り、たちまちのうちに世に広まった「ポップ・アート POP ART」。その呼び名の語源は、 popular art ポピュラー・アート (大衆の芸術)であるといわれています。現代の文明が可能にした大量生産(+消費)とマス・メディア、それにより実現した、ありとあらゆるモノで満ちた毎日の生活。雑誌やテレビなどによって、つかみようのないスケールとスピードで情報として伝搬し流通し増殖するイメージ。広告や商品や映画スターとか著名人の肖像や漫画のひとコマや道路標識かさもなければロゴマークみたいなフィギュア・・・・・を、モチーフとして取り込み、明るく軽やかに美術表現として昇華させたポップ・アート。ややもすれば「現代美術」に戸惑いを覚えがちな人々にさえ、ポップ・アートが時代ならではの「アート」として広く認知され、親しまれているあたりを考えれば、ポップ・アートは現代美術のさまざまな潮流のなかでも、社会との影響関係が最も大きかったジャンルのひとつといえるでしょう。
株式会社ミスミグループ本社は、機械加工製品販売の分野における日本の代表的企業ですが、企業活動の一方で収集してきた「ミスミコレクション」は、60年代から大活躍して今や伝説的スターとして語られる、ウォーホル、リキテンスタインなどの巨匠から、今現在活躍している若手アーティストに至る戦後のアメリカ美術を網羅的に含む、優れた内容のコレクションを形成しています。本展はそのミスミコレクションより、43作家・約90点を展示いたします。こんにちもなお世界のアートシーンをリードし続けるアメリカ美術のエッセンスを、そして、わたしたちの時代の「美術」を体感できる展覧会です。
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