2012年10月27日(土)-12月24日(月・祝)
休館日:11/27(火) 12/4(火) 12/11(火) 12/18(火)
奈良・平安の時代には中国や朝鮮に由来する絵画を「唐絵(からえ)」といい、その影響を受けつつ形成された日本の絵画を「大和絵(やまとえ)」といって区別していました。江戸時代には、中国-宋元明清の絵画をやはり「漢画(かんが)」といって日本のものとは区別していました。さらに明治時代の西欧の文化を受容する時代になると今度はヨーロッパに由来する、油絵具を使う油彩画と区別するためのいわば対概念のような意味で「日本画」という呼称を用いるようになりました。時代によって言い方は異なりますが、いつも日本絵画はわが国固有の絵画表現を他とは違うものとして意識しています。
では日本画とはいったいどのような絵画のことをいうのでしょうか。これは言葉で説明しようとなるとまことに回答困難な問いであります。地理的な意味の日本国内で制作された絵画のことでしょうか。人種的形質としての日本人が描いた絵画のことをいうのでしょうか。膠で溶いた岩絵具(いわえのぐ)を使うのが日本画なのですが、しかし使用する材料だけでは説明しきれない、特有な美意識の表現世界であることも作品を見て感じるに明らかのように思われます。
天童市美術館(山形県)は、吉野石膏コレクションなどの優れた作品群を収蔵する、知る人ぞ知る美術館ですが、このたびの展覧会は同館のコレクションより選りすぐった約40点の作品で構成いたします。あらためて現代の日本画をじっくりと鑑賞し、感じながら、日本画とはどういう絵画なのかをご覧いただける良い機会となることでしょう。
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