1991年6月19日(水)ー7月25日(木)
休館日 火曜日,但し7月23日(火)は開館
明治26年(1893)に開場した明治座は、東京の浜町に座を構えた下町の芝居小屋として多くの人々に親しまれ、時流に合った大衆的で楽しい興行を続けています。
劇場内のロビーに飾られている日本画の名作は、観劇の幕間の憩いとして戦後の再建時より集められたものです。昭和初期から今日までの主要な画家を網羅したコレクションは、近・現代の日本画の流れを語る作品群となっています。創画会の山本丘人、吉岡堅二、橋本明治、上村松篁。日展の小野竹喬、伊東深水、東山魁夷、高山辰雄。院展の安田靫彦、前田青邨、奥村土牛、小倉遊亀。そして、青龍社の川端龍子、無所属の中村正義等々、豪華な顔触れです。また、劇場の表を飾る絵看板は、上演中の芝居の名場面や花形役者を劇的に描いたもので、人目をひきます。この芝居絵は、江戸末期からはじめられ、代々鳥居派の絵師が描いてきました。〝瓢箪足、みみず描き”という独特な画風を完成させた初代清忠の描法が受け継がれ、今回出品の芝居絵は五世清忠(鳥居派としては八代目)の手によるものです。戦後の新しい舞台世界を伝統的手法と新感覚で生き生きと表現しています。本展では、平成5年の100周年にむけて改築中の明治座が所蔵する近代日本画 名作50点と傑作芝居絵30点をご紹介します。
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