EXHIBITION

日本人にとって漫画は非常に馴染みが深く、昔からとても身近なものでした。古くは奈良時代に建てられた寺院や、そこに祭られている仏像などに戯画が残され、また平安時代の鳥羽僧上作と伝えられる「鳥獣戯画巻」などは世界の歴史から見ても最高の傑作です。この伝統は絶えることなく受継がれ、江戸時代の終り頃に名をはせた浮世絵師、葛飾北斎の「北斎漫画」は19世紀ヨーロッパ絵画に大きな影響を及ぼしました。
さて、明治以降の日本でもこの伝統は受継がれましたが、近代的な展開を示すのは1930年代になってからでした。その頃20代の新進気鋭の漫画家20名が漫画の社会的地位向上と漫画家の相互連帯を計るために集りました。1932年(昭和7年)に発足した新漫画派集団がこれです。この集団が戦後になって再編成され、組織を持たない個性を尊ぶ自由な集りになりました。メンバーの変転はありましたが現在でも日本の漫画界をリードする存在として漫画界に重きをなしています。メンバーは今の所90名になんなんとしています。今回の企画はこのうち84名の参加により、自由課題富士山(環境問題)雑誌と新聞原稿、の三分野で腕を競います。漫画家たちの抱く夢とペーソス、漫画の本質と可能性、表現の多様性など充分に見る人々の心に訴える物が有ると思います。

《イベントの案内》
会期中漫画集団のメンバーによる似顔絵コーナー・サイン会、漫画教室などのイベントが計画されています。イベントの収益金は富士山の環境運動に寄付される予定です。
【期間】7月18日(土)、19日(日)、25日(土)、26日(日) 8月1日(土)、2日(日)、8日(土)、9日(日)、15日(土) 16日(日)、22日(土)、23日(日)
【時間】 (土) 13:30~15:00/(日)10:00~15:00
河口湖美術館の芝生広場