1992年9月3日(木)-10月18日(日) 会期中無休
19世紀半ばのフランスは政治的に慌ただしい時期に在り、二月革命、第二帝政の開始、普仏戦争の敗戦から第三共和政への移行、次いでパリ・コミューンの政権獲得と動乱の時期が続き、かた時も市民が平静な生活を送れる状態ではありませんでした。この間にアングル、ドラクロワ、テオドール・ルソー、ミレー、コロー、マネの活躍があり、ゴーギャン、ゴッホ、ルノワール、シスレー、シニャック、マチス、ルオー等が育つなど絵画の世界でも絢爛たる時代背景がありました。
ジャン=フランソワ・ミレーの名は殆どの日本人が知っています。それ程ミレーの名前と作品は本国フランス以上に親しまれており、特に「晩鐘」、「落ち穂拾い」の二作は戦前から教科書の挿絵にも取上げられ、また複製画によって身近なものでした。農民出身のミレーが身近にある情景をそのまま画布に映し取ったテーマです。戦乱をさけ作画に専念しようとした画家達が期せずして集ったバルビゾン村は、それなりにささやかな安住の地でもあったのです。
本展はミレーと、バルビゾン派のプレアデス(七つ星)と称せられたコロー、ディアーズ、トロワイヨン、デュプレ、テオドール・ルソー、ドービニーを中心にドーミエ、クールベなど当時の写実主義を代表する画家の作品を、併せて90点を展示致します。パリの南郊に芽吹き大きな成果を挙げた一群の画家達の遺産を堪能して頂きたいと存じます。
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