1993年3月31日(水)-5月9日(日)
休館日 4月6日(火)、4月13日(火)、4月20日(火)、4月27日(火)、5月6日(木)
今世紀初頭、明治の末から昭和初期にかけて、ヨーロッパ各地で、また、日本で絵はがきが流行しました。ブームの加熱ぶりは相当なもので、無数の絵はがきが刊行され、それを扱う専門店が誕生し、絵はがきの専門誌が刊行され、人々は新作を買い求めようと列をなしました。その絵柄は、人物、動植物、風景、風俗、風刺的なもの、浮世絵調からアールヌーボー調に到るもの、広告宣伝媒体として、等々多様をきわめ、その材質も紙ばかりではなく、木、布、セルロイド、漆等も用いられ、やがては、寄せ木細工や、透しをいれたもの、数枚一組で一枚の絵になる、などといった、仕掛け絵はがきまでもがつくられました。
また、これら絵はがきの制作には、後に大家として名をなすことになる若き日の作家たちも参入していました。今回出品されている中にも、日本画家橋本雅邦、鏑木清方、小川芋銭、梶田半古、川端玉章・・・、洋画家浅井忠、和田英作、岡田三郎助、鹿子木孟郎・・・等の名がみられますが、これらは一枚一枚が画家の片鱗をうかがわせる、絵画としての質の高さを備えています。
本展は、フランス人収集家フィリップ・バロス氏の3,000点に及ぶ絵はがきコレクションの中から約650点を選び展示いたします。巨匠達の手になる小さな絵を、また、当時の世相風俗をうかがう資料として、たのしくご覧戴けることでしょう。
[講演会]「絵はがき芸術の魅力」4月4日 午後1時30分より 冨田 章氏(そごう美術館主任学芸員) 会場=河口湖美術館ギャラリー
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