1993年9月23日(木)-10月31日(日)
休館日 火曜日(但し9月28日は開館)
アンジェイ・ワイダで有名なポーランド映画に“ポーランド派〟という呼称があるように、ポーランドのポスターも“ポーランド派〟と呼ばれグラフィック・デザイン界のみならず、戦後の世界の現代美術の中で高く評価されてきました。そればかりではなく、ポーランド・ポスターは一九〇〇年頃のポーランド近代美術の誕生と共に発展してきた近代デザイン運動のなかで生み出されたアール・ヌーヴォー、アール・デコ時代の豊かな遺産を持っています。こうした歴史の中で育まれ、戦後の政治体制との特殊な絡みの中で成立してくる鋭い現実批判と知的なウィットやシンボリックな手法が総合され、世界のグラフィック・デザインの中で特別にユニークな表現が確立されて いくのです。一般にポーランド美術全体が社会主義リアリズムから離れていくのは一九五〇年代 の後半のことといわれていますが、ポスターもやはりこの頃から独自の様式を打ち立て、以降六〇年代にかけて"ポーランド派〟と呼ばれるようになるのです。そして、七〇、八〇年代にはシンボリックな手法がより一層強調され、特異で強烈な表現はとどまるところを知りません。
ポーランド・ポスターのこうした世界的な成功を支えたものに有名な国際ポスター・ビエンナーレ(一九六六年開始)などがありますが、六八年に開館した世界で初めてのポスター美術館(ワルシャワ国立美術館分館)の活動も忘れる事ができません。今回は、このポスター美術館の所蔵品より今 世紀初頭から今日までの作品を厳選し、ポーランド・ポスターの歴史をたどろうとする、本格的な展覧会です。
記念講演会「一枚のポスターから」 講師 松永真(グラフィック・デザイナー) 日時 10月3日〔日〕午後1:30 会場 河口湖美術館ギャラリー
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