1995 4/6(木)-5/7(日)
休館日 4/11・18・25
東海道は我が国の交通の要路のひとつとして古代より西と東とを結ぶ重要な役割をにない、また、江戸時代に制定され、今日我々の知る五十三の宿場をもついわゆる東海道は、例えば十返舎一九の滑稽本「東海道中膝栗毛」の舞台として、また例えば北斎や広重の描いた浮世絵版画に表わされたイメージをもって、日本の風土を語るに欠かせない風物のひとつであるといっても過言ではありません。
江戸時代の、東海道に題を求めたいくつもの出版物なかで、歌川広重の「東海道五拾三次」のシリーズは彼の出世作として余りにも有名です。この成功によって広重は浮世絵版画の巨匠の一人として、また風景画の大家としてその地位を不動のものにしたといわれます。
このたび、ニューヨークの個人コレクターが長く秘蔵していた保永堂版「東海道五拾三次」五十五点と、それぞれの宿場町を撮影した大正期と現在の風景写真を併せて展示いたします。これを機会に、この不朽の名作を存分にご観賞いただくと同時に、交通事情がまったく異なる昔と今日を見較べながら、他では味わうことの出来ない旅情をお楽しみいただけることでしょう。
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