1995 5.10(水)-6.18(日)
日本画家平山郁夫は、旺盛な制作活動に打ち込むかたわら、東京芸術大学学長として次代の芸術家の育成にあたり、また、世界の文化財保護のための国家的事業に精力的に尽力するなど、幅広い活動を続けていますが、このほど、みずからが提唱している世界文化財赤十字構想に基づいて「世界文化財機構」運営委員会が発足しました。そのことを記念し、世界文化財赤十字構想寄金募集のための「平山郁夫シルクロード展-西から東へ三〇万キロ-」を開催します。
1930年 (昭和5)、広島に生まれた平山は、15歳の時に被爆し、その後、白血病との戦いと芸術上の行き詰まりという苦しみの中で、1959年(昭和34)第44回再興美術院展に『仏教伝来』を発表し、新しい解釈による仏教画の独自な境地をひらきました。以後、東西文化交流の舞台となったシルクロードの壮大な歴史ロマンに魅せられ、ヨーロッパ、中近東諸国をはじめ、インド、パキスタン、中国、韓国、東南アジアなどを歴訪、その行程はおよそ100回、30万キロにおよびました。シルクロードを題材にした作品群は、平山芸術の精華として近代日本画壇に大きな足跡を残しています。
本展は、1989年(平成元)7月から月刊「プレジデント」誌の表紙を飾ってきた、シルクロー ド取材の集大成ともいうべき素描画50点と本画4点を一堂に展観、平山芸術の真髄に触れようというものです。
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