1996年 12/7(土)-1997年 1/5(日)
休館日 火曜日、12/28、29、30、31 *元日より開館いたします
その鮮烈な色彩と重厚な絵肌をもって広く世に知られ、昭和の洋画壇を語るのに欠かすことのできない代表的存在の一人、林武(1896-1975)の生誕100年を記念する展覧会を開 催いたします。
林武は東京麹町に国学者の五男として生まれました。小学生の頃から図画が得意で、同級生の東郷鉄春(青児)とは画才を競い合う間柄だったといいます。また教師の激励もあって、少年武臣(本名)は画家になる将来の夢を抱きました。しかし学者である父甕臣は厳格な性格で家計を顧みず研究に没入する人だったために一家の生活は困窮し、武臣も家業の牛乳店の一員として眠る時間を削って働かなければならず、その労苦のために体を壊して学業を中途で断念します。その後様々な職業に就きましたが、22歳の時初めて油絵を描いたことがきっかけで画家になることを決意、日本美術学校に学ぶなどして勉強しました。大正10年、第8回二科展に初入選、樗牛賞を受賞、翌11年に二科賞を受賞して画壇にデビュ ーを飾って以降、二科会、1930年協会などに所属しましたが、昭和5年、独立美術協会の結成に参加、同協会を活動拠点に画業の研鑽を積みました。弛まぬ努力はやがて独自の造形理論に裏付けられた作品となって開花し、昭和24年には第1回毎日美術賞の受賞によって一躍世に名を示し、昭和27年東京芸術大学教授に就任、昭和34年日本芸術院賞を受賞、昭和42年文化勲章を受章するなど輝かしい評価を受けました。
本展は、油彩による人物、静物、風景のほか、デッサンなど約80点の作品によって構成し、画壇に一時代を築いた林武の芸術をご紹介いたします。
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