1998 1.10(土)-2.1(日)
休館日=1/13-1/16 1/20 1/27
スペインが生んだ巨匠パブロ・ピカソ(1881-1973)が、比類ない創造力によって造形芸術の様々な分野に卓越した独創性を発揮し、20世紀の美術に最も影響を与えた作家であることは多くの人の認めるところです。本展は最晩年のピカソが取り組んだ一群の版画作品を紹介いたします。
ピカソは、初期の「青の時代」にはじまって「バラ色の時代」、「キュビスムの時代」等々と、休むことなくスタイルを変えていったことでも有名ですが、80歳を迎えた頃から他界するまでの約10年間、彼が熱中したのは銅版画制作でした。なかでも本展で取り上げる『347シリーズ』、『156シリーズ』はこの時期のピカソの代表作というべきものです。鋭い刻線で一気呵成に、あるいは精緻な技法を駆使して丹念に、アトリエやサーカス、男女の性愛の場面などを、80歳の老人のものとは思えない豊かなイメージで描いた数々の作品は感嘆すべきものです。
本展は老大家ピカソの信頼を得て、版の制作から刷りまですべての作業を任されていた刷り師ピエロ・クロムランク氏のコレクションから『347シリーズ」、「156シリーズ」などを中心に、厳選した約160 点で構成いたします。
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