EXHIBITION

阿部展也展

2000 11.3(金)-12.24(日)
休館日=11/7.14.21.28 12/5.12.19

阿部展也は1913年に新潟県五泉市に生まれました。生後まもなく母の実家に預けられ、学齢期に東京の両親にひきとられた阿部は中学を中退後独学で絵を学び始めます。32年、独立美術協会に入選して後、一九四〇年協会、飾画、創紀会、前衛写真協会、といった当時の前衛美術のグループに参加し、超現実主義的な作品を発表していきます。37年には瀧口修造と詩画集『妖精の距離』を刊行し、39年、独立美術協会を脱退後は美術文化協会の結成に参加しました。戦時中は日本陸軍の写真班員としてフィリピンに従軍しましたが、戦後は、超現実主義からさらに表現主義的、立体派的表現へと意欲的に作風を変化させていきました。
その一方で阿部は、日本美術家連盟の代表として53年にはインドを、57年にはユーゴスラヴィアなどを訪れ、異文化と接したことで造形上の表現や思考に大きく影響を受け、触発されるうちに、ついには62年、単身でローマに定住するに至りました。58年頃からエンコースティックによる流動的な形象を試みていた阿部の作品は、ローマでの生活の中で次第に形態が明快になり、幾何学的な抽象へと変化していきました。また、旺盛な発表活動と並行してロマネスクや東欧の建築やデザインを写真撮影し、東欧や中欧の美術の研究に熱心に取り組みました。二〇世紀美術の世界的動向を体現した数少ない日本人作家だった阿部展也ですが、1971年、その活動も半ばにして、また、膨大な文化研究も未整理のまま58歳でローマに没したのでした。
本展は阿部展也の芸術において最も重要でありながら紹介されることの少なかったイタリアでの活動を跡づけ、画家・阿部展也の仕事の全貌を明らかにし、その意味を問うものです。

展覧会基本情報

Exihibition Information

会期
2000 11.3(金)-12.24(日)
休館日=11/7.14.21.28 12/5.12.19
会場
河口湖美術館
開館時間
9:30-17:00(入館は16:30まで)
入館料
一般·大学生800(720)高校生・中学生500(450)()内8名以上の団体料金
主催
河口湖美術館/阿部展也展実行委員会
協力
東京画廊

これまでの展覧会

SINCE1991.04.14