2004 4/3(土)-5/16(日)
休館日=4/6、4/13、4/20、4/27、5/11
日本画家平山郁夫の制作による奈良・薬師寺の玄奘三蔵院『大唐西域壁画』が平成13年に一般公開されました。
この壁画は、中国の高僧玄奘三蔵が旅した唐の都長安からインドのナーランダへの道のりを七場面十三面に描いたもので、長さ四十メートルにおよぶ大作です。この壁画の制作にあたり、平山郁夫はみずから玄奘の足跡を追体験するため百数十回もの海外取材を敢行、制作したスケッチは一万点、構想から完成まで実に三十年の歳月を費やしたといわれます。
平山郁夫が自身の被爆体験と後遺症の苦しみのなかで、玄奘がインドから経典をもたらすさまを幻想的に描いた作品『仏教伝来』(1959年)を制作し、それ以後シルクロードや仏教をテーマに数々の作品を発表してきたことは広く世に知られるところです。その画業の根底に一貫している平和を願う想い、そして玄奘三蔵への崇敬の念、その一つの結実がこの『大唐西域壁画』であります。
本展は壁画制作のために描かれた原寸の大下図を中心に素描約五十点などを展示します。平山芸術の集大成ともいうべき『大唐西域壁画』、その完成までの努力と精進の軌跡をたどるものです。
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