EXHIBITION

靴の魔術師 ヤン・ヤンセンの世界

2004 10.30(土)-12.26(日)
休館日:火曜日(11/23は開館します)

靴は“歩く”という動作のおぎなうための、私たちにとって最も身近な道具の一つであり、また、さまざまにデザインされた靴は造形的な魅力に富んだオブジェとして私たちの日常生活を装飾するアイテムでもあります。
本展で紹介するヤン・ヤンセンは、母国オランダにおいてはもちろん、広く欧米で高く評価されている現役のシューズデザイナーです。
その活動を開始した1960年代から今現在まで、約40年にわたる彼のキャリアのうちには、際立ったものだけを挙げても、国際的デビュー作となった、籐を素材に使った《バンブーシューズ》(1973)、全米で100万足以上売れたという《ハイヒールスニーカー》(1977)、90年代に大流行したいわゆる厚底靴の先駆けとなったモデル(1989)などがあり、2002年にはその業績を集大成した大回顧展がオランダとドイツにおいて開かれ、大きな反響を 呼びました。そして彼は60歳を過ぎた今も衰えを知らない創造力で次々と新作を発表しつづけています。ヤンセンは斬新さと比類ない独創性をそなえた、靴の世界有数のトレンドセッターであるといえましょう。
わが国初公開となるヨーロッパ屈指のシューズデザイナー、ヤン・ヤンセン。本展では初期のものから最新のモデルまで、130点の作品によって、この知られざる巨匠の全貌をごらんいただきます。

ヤン・ヤンセン Jan Jansen
1941 ナイメーヘン(オランダ)に生まれる。父は製靴工場の販売部長だった。
1962 ローマのFollie D'Alco & Albanese のスタジオでハンドメイド製靴の集中訓練を受けた。
1963 アムステルダムにスタジオを設立。
1965 最初の工業生産用デザインのシリーズを制作。
1966 当時のいわゆるアヴァンギャルドなデザインの《Softline》を制作。これによりアムステルダム市立美術館で開かれた現代美術の展覧会「Atellier4」に出展、12人のアーティストのなかで唯一のデザイナーだった。
1968 ニューヨーク現代工芸美術館の展覧会「Bodycovering」に出品。この年ヤン・ヤンセンの名前を商標登録した。
1969 皮製の表甲を木製のプラットフォームに鋲釘で打ち付けたデザインの《Woody》を 発表、戦後世代のカジュアルな志向に受け入れられ国際的な成功をおさめた。
1973 籐製のオープンなブリッジ構造を用いた《Bamboo》を制作、これをパリのSemaine du Cuirで発表して一夜にしてその名を世にとどろかせ、これ以降 Charles Jourdanをはじめ多くの国際的な依頼を受けるようになった。
1977 《High Heeled Sneaker》を発表。全米で100万足を売るヒット商品となった。
1984 アムステルダム市によりすべての作品に対し「Kho-Liang-le」商業デザイン賞が授与された。
1989 浮いたヒールの、つまりヒールのない構造のモデルや、90年代に日本でも大流行した 厚底靴の先駆けとなるモデルを発表。この年アムステルダム美術評議会より「Emmy van Leersum」賞が授与された。
1995 名誉あるオランダのファッション賞「Grand Seigneur」を受賞。
2002 ハーグ市立美術館 (オランダ)で大規模な回顧展「Master of shoe design」展が開催され同展はドイツにも巡回した。

展覧会基本情報

Exihibition Information

会期
2004 10.30(土)-12.26(日)
休館日:火曜日(11/23は開館します)
会場
河口湖美術館
開館時間
9:30-17:00 (入館は16:30まで)
入館料
一般・大学生800 (720) 高校生・中学生500 (450) カッコ内は8名以上の団体料金
主催
河口湖美術館/毎日新聞社
後援
文化庁/在日オランダ大使館/モンドリアン財団
協力
KLMオランダ航空会社

これまでの展覧会

SINCE1991.04.14