2005 8/10(水)-8/28(日)
会期中無休
人間誰しも自分にしかわからない脳裏の世界、自分しか見たことがない、人には見せることが出来ない追憶のような映像を心に抱いているものですが、おそらく画家というのはそれをあらわす能力、映像的な想像力とそれを作品化する技能を備えている人びとなのでしょう。そしてまた、画家が自分の内面世界、幻想的ヴィジョンそのものを動機に描いた絵画は、古くから夥しい数のものが制作され続けてきたのではないでしょうか。
近代の西洋絵画が個性の表出を重んじるようになり、現代へといたる過程のある時期に極端な通過点としてシュールレアリスムや象徴主義、表現主義などの諸現象を生んだわけですが、そうしたうちには、とくに幻視的・幻想的傾向が著しい画家の例としてすぐに何人かの名前を挙げることができます。本展では十九世紀末から二十世紀初頭を生きた、二人の名高い画家、マックス・クリンガーとオディロン・ルドンの連作版画をサンプルに採りあげ、芸術家の心の内側を垣間見てみましょう。
出品
マックス・クリンガー『手袋』10点『ドラマ』10点
オディロン・ルドン『聖ヨハネの黙示録』13点
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